金井:「可愛い似顔絵」を目指されたという事ですが。当時は参考になるような似顔絵作家さんも少なかったと思います。そんな中で荒川さんが参考にしたり、この人みたいに描きたい!と目指された漫画家やイラストレーターがいたら教えてください。
荒川(rioka):冬野さほ先生ですね。
冬野先生のレトロでオシャレなイラストに憧れました。またその冬野先生のご主人で漫画家の松本大洋先生も憧れでした。松本先生は人物の描きわけ方が見事です。
金井:松本大洋さんはオシャレで独特な雰囲気のタッチですが、確かに人物の描き分けは幅が広いですよね。誰として同じ顔の人物がいない。。
荒川:他の漫画家さんの人物の描き分け方って「髪の毛の色」とか「服の色」が違うくらいで基本的に同じ顔!って事が多いですよね(笑)それが嫌だったので(笑)

【一番大切にしていること】
金井:荒川さんの中で似顔絵を描く際に一番大切にされている事はなんでしょうか?
荒川:可愛く描くのは当然なのですが。可愛く描きすぎちゃうと周りから「似てない!」と言われちゃうんですね。それで描いてもらった方がショックを受けてしまうんです。
だからその人らしさを出すために「似てるポイント1割で、あとは可愛く」で描いてます。必ず似てるポイントを入れる。
あと「歯並び」とか「眉毛の上がり・下がり」など多少変えて描いても問題ないような箇所はちゃんと描きます。
骨格など、本人の努力でも変えられないような箇所を強調(デフォルメ)してしまうのはご本人が気にしてしまうので避けますが、髪型など
「本人が嫌だな、と思ったら変える事ができる」というところをデフォルメしています。
金井:確かに!笑った時に見える八重歯などを描くとより可愛らしくなりますが「顔が長い」とか「鼻が出てる」などのコンプレックスが大きと思われる箇所は「引き算」で描くほうが喜ばれますね。

【今後の展望】
金井:荒川さんが今後やっていきたいな、または力を入れていきたいなという事はありますか?
荒川:今までやってきた「早描き」は今後も続けていきますが、それとは別に「お客様と共に歴史を作っていく」という方針も進めていきたいです。
金井:お客様と歴史を作る。。。とは?
荒川:お客様が似顔絵見て「この時はこんな事があったな」など思い出やエピソードを思い出してもらえるような「じっくり眺めたくなる似顔絵」をお届けしたいです。 そのため今後は通販などで、時間や制作工程をたっぷり取った似顔絵を手掛けていきたいと思っています。
金井:オレンジスマイルで手掛けていらっしゃる似顔絵は、ポージングや 背景、人物の表情など細部まで細やかに手間隙をかけていますよね。そのような似顔絵制作に今後はもっと力を入れていきたいという事ですね。
荒川さんの魅力や人気の秘密が溢れてくるインタビューでした!
荒川さん、ありがとうございました!
インタビューした似顔絵師

金井かすみ
- 2011年 似顔絵楽座・竜王賞 準優勝
- 2013年 ISCA アジア似顔絵大会出場 スタジオワーク部門 優勝
- 2014年 日本テレビ「スクール革命」
- 2014年 日本テレビ「ぐるナイ」
などの受賞・メディア出演歴を持つ。
作家のイメージとはかけ離れた(?)圧倒的なマシンガントークでお客様とお話しながら描く姿は名古屋名物と言われているとかいないとか。 そんな金井が自らの経験から得た事や似顔絵制作にまつわるアレコレをマンガとイラストと共にコラムとしてお伝えします。